2013年 春号

チャイム職員室 授業力向上NAVI

【5年 社会科 「自然災害を防ぐ」の場合】

子どもたちが自ら調べ、考える、主体的な学びを育てるためには、学習計画をしっかり立て、見通しを持って学習に取り組ませることが大切です。東京都世田谷区立塚戸小学校の指導例を紹介します。

Navigator 染谷恭平さん
東京都世田谷区立塚戸小学校勤務。東京都や世田谷区の社会科研究部で研究を進める、キャリア9年目の主任教諭

主体的な学びを育てる
学習計画を立て、見通しを持った取り組みを

資料A・資料B

構造図を作成し学習問題を設定

 まず、学習指導要領の内容に沿って、学習問題作りを工夫します。そのときに、単元で学ぶべき知識を整理した構造図を作成しておきます(資料A)。
今回は、学習問題を「人々は、大きな地震に対してどのような取り組みをしているのだろう」と設定しました。

予想を整理して学習計画を立てる

 学習問題の設定後、子どもたちの予想を整理(資料B)。「予想を確かめたい」という意欲を高めることが、主体的な学びの原動力になります。 その後、学習計画を立てます

【学習計画】
(1)地域の人たちの取り組みを調べる。
(2)行政(国、都道府県、市町村)の取り組みを調べる。
(3)関係図にまとめる。
(4)私たちは何をすればよいのか考える。

調べる対象が決まったら、インタビューや見学、図書資料、インターネットなどから内容に応じた調べ方を選択させます。このように学習計画を立てることにより、学習の流れがわかり、見通しを持って最後まで主体的に学習に取り組むことができます。

学びを育てる教師の役割

 見通しを持つことが大切なのは、教師も同じです。最後に、学習の全体像をまとめておきます。

(1)指導のねらいを押さえる。
・ 学習指導要領などの分析、検討
・ 単元で学習する知識の構造図の作成
(2)ねらいを子どもの言葉に置き換える。
(3)ねらいに導く学習問題を考える。
(4)調べさせる内容を明らかにする。
(5)学習問題の設定では、教材と発問を工夫する。
学習問題には以下の3つのパターンがある。
・どのような型
 事実的知識の習得をねらって、単元のはじめで設定。今回の例はこのタイプ。
・なぜ型
 事実間の因果関係をとらえさせるもの。単元の中ほどで設定。
・どうすればよいか型
 価値判断を迫るもの。学習のまとめとして、単元の終盤に設定。

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