2013年 冬号
【6年 国語科 読解力を深める】
読解指導において児童の読み方を深めるためには、子どもたち同士の「読み方の交流を通した学び合い」が欠かせません。 小野市立小野小学校が取り組んだ、研究の一端を紹介します。。
読み方の交流を通した学び合いを
一人学びから班活動、みんな学びへ
友達の意見を聞くことで“気づき”を共有
小野小学校では、教材の写真や図、言葉などから「考えられること」や「思ったこと」などをノートに10 分間で書き込みをする「一人学び」の時間を設けています。
その後、全員発表で「みんな学び」へと広げ、読みを深める時間をとっています。そうすることで、個人ではノートへの書き込みが難しい児童も、友達の意見を聞くことで気づいたり、考えたり、分かったことを書き込むことができます。児童一人一人の書き込みから、個人の理解度を確認するようにしています。
実際の指導に当たっては、「一人学び」→「班活動」→「みんな学び」のプロセスをたどって、具体的な学習課題を設定していきます。カードに書いた一人一人の気づきや考えを、まず班の中で練り合うことで「みんな学び」に耐えうる課題に仕立て上げることが可能になり、「一人学び」で意見を出した児童の自信にもつながります。
考えの根拠をはっきりさせ「みんな学び」へ
「一人学び」をもとにした「みんな学び」が成立するためには、何よりも「根拠をはっきりさせながら考えを述べさせる」ことが大切であると考えています。
根拠になると考えられる文章や言葉にラインを引き、ノートにその文章や言葉から感じたことや、思ったことなどを分かりやすく書いて発表し合うようにさせることで「学び合い」が成立していくのです。このような手立てで、文章や言葉といった「表現に基づいて自分なりの読みをみんなで交流し合う学習」が成立します。
「森へ」(星野道夫作)の場合
【一人学び】
● 題名読みで感想を書く
● 段落に小見出しをつけ、場面分けをする
● カードを使って意見をまとめ、課題をつくる
【班活動】
● カードに書いた一人一人の気づきや考えを、課題として、班の中で練り合う
< 設定された課題>
・ 星野さんと一緒に森を歩こう
・ アラスカの海の様子を想像する
・ どんな気持ちでクマの道を歩いているだろう
・「サケが森を作る」ということをどのように感じているだろう
・ 森がゆっくりと動いていると感じたのはなぜだろう
【みんな学び】
● ブックトークをし、星野さんの世界を広げよう