2012年 初夏号
教育実践力のバージョンアップを!
平成21 年4月から教員免許更新制度が始まりました。これをよい機会と捉え、自分が学びたい講習プログラムを受講し、スキルアップにつなげていきましょう。
教員免許更新制度のあらまし
教員免許に有効期間を定め、決められた時期に更新講習を受けて修了認定されないと、失効するしくみ。幼稚園から高校までの現役教員が対象。昭和30 年4月1日以前生まれの人以外のほとんどの教員が該当する。
- 受講手続
- 基本的には全て個人で行う。
- 受講時期
- 生年月日で定められている。教育委員会からの通知のほか文部科学省のホームページ等で確認できる。
- 開設機関
- 「大学・大学共同利用機関」「指定教員養成機関」「都道府県と指定都市等教育委員会」などで開設。出身大学等に関係なく、希望する都道府県の大学・機関で受講できる。
1.受講が必要な領域と講習時間数は?
(1)必修領域
「教職についての省察」「子どもの変化についての理解」「教育政策の動向についての理解」「学校の内外における連携協力についての理解」の4項目の内容を含む講習を12時間以上受講する必要があります。
(2)選択領域
教科指導、生徒指導その他教育内容の充実に関する事項を選択して、18時間以上受講します。各教科の指導法やその背景となる専門的内容、生徒指導など、幼児・児童・生徒に対する指導に係る各論的な内容が中心です。
※(1)・(2)の領域を2年間の受講期間内に合計30時間以上受講し、修了する必要があります。
2.講座の開設機関と選択方法は?
免許更新制度は、教育現場に立つ現職の教員が定期的に最新の知識や技能を身に付けることで自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ることを目指すものとされています。
受講に当たっては、「明確な課題意識」を持ち、「課題の解決につながる講座を選ぶ」ことが大切です。 各大学等の講習実施機関は、それぞれの特色を生かした多種多様な内容の講座を準備し、受講生を募集しています。課題意識が明確であるほど成果も期待できます。早めに講習実施機関へ講座の内容を問い合わせるなどして、希望する講座を選択し、納得して受講することが大切です。
教員免許更新講習という機会をとらえて実践力をバージョンアップしていきましょう。
自己の課題にマッチした講座を選んで力量アップにつなげましょう。
ある大学が事前に受講申込者に行った課題意識調査の結果
- 幼稚園・小学校の英語教育
- 幼稚園・小学校連携
- 特別支援教育の動向や具体例
- 教育におけるICT活用
- 保護者とのかかわり
- 「いじめ・不登校」を中心とした学校教育相談のすすめ方
- 生徒指導の現状と課題
- 一人ひとりに応じた指導の手立て
更新講習受講者の声
- 普段の授業などにすぐ生かせるものが多く、よかった。
- 日頃学ぶチャンスが少なく、考え及ばないような概念などを、改めて学べたことが収穫だった。
- いろいろな講義があり、充実した3日間だった。
- 養護教諭の養成課程があったからか、内容がとてもよかったと思う。