チャイム 2013年冬 首都圏版
4/32

―外国語活動の授業が始まって2年になりますが、教育現場の状況をどう見ていますか? 岡さん(以下、黒字部分省略) 私の印象では、うまくいっている学校とそうでない学校とバラつきがあるように思います。それは個々の先生の温度差、地域による熱意、教育委員会の温度差によると思います。政治的レベルの問題では、導入する前に指導者の再教育をすべきだったということ。韓国のように事前に研修を積めばよかったとも言われますが、そういった条件整備ばかり言っていると、いつまでたっても整わないので、どこかで決断しないといけなかったわけですが。語学のスキルよりも体験や興味を大切に―外国語活動に期待されていることとの乖離があるのですね 学習指導要領にも書いてあるように、外国語活動の授業は、異文化体験、英語のスキル、コミュニケーションへの関心・意欲と、3つのレベルがあると思います。その3つがバランスよくいけばいいのですが、多くの方がスキルに期待します。でも、週1コマしかないのですから、スキルより他の2つを育てるのが適切だと思います。異文化体験というのは世の中を見る目を肥やしてくれるし、日本語も鋭くなります。〝Because…〞とちゃんと理由を述べることも知ります。それには生のものを見せる、聞かせること。そして、先生がうまく橋渡しすること。臨場感ある場面を設定してあげると、児童も体で体験的に言葉が身に付きます。総合的な学習の時間もそうですが、ほかの教科と連動させていくと、子どもたちに気づきを与えられると 学習指導要領で、小学校での外国語活動が必修化されて2年。教材も「英語ノート」から「Hi,friends!」に変わりました。小学校での教育現場に求められることについて、英語教育のエキスパートでもある目白大学教授の岡秀夫さんに聞きました。の気づきが学習の〝種〟に動の必修化から2年】 小学校の教育現場に求められるもの目白大学外国語学部英米語学科教授 岡 秀夫さんに聞く岡 秀夫(おかひでお)目白大学外国語学部英米語学科教授。東京大学名誉教授。大学英語教育学会(JACET)理事、中央教育審議会初等中等教育課程部会外国語専門部会委員なども務める。専門は英語教育、バイリンガリズム論。英国のレディング大学、ケンブリッジ大学、米国のジョージタウン大学などに留学

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です