チャイム 2013年冬 首都圏版
20/32

2012年12月に国立教育政策研究所から、国際数学・理科教育動向調査の2011 年調査(TIMSS2011)国際調査結果報告が発表されました。これによると、「理科の勉強が楽しい」と回答した小学生、中学生の割合は、前回調査と比べ増加しており、特に、小学生では前回調査に続き、国際平均を上回っています。「脱ゆとり」の方針をかかげる現在の新指導要領の方向性が正しかったことを示しているという見方もあります。これについては賛否両論ありますが、授業から理科の勉強を楽しいと感じさせ、その興味を継続させるために、理数の授業における観察・実験・レポート作成などの活動が重要視されるという状況は、TIMSSの結果を受けてさらに加速するでしょう。そこで今号では、授業でも取り入れることの可能な新しい実験の方法や、キットを紹介します。実験例2 汚れた水を生き物の力できれいにしよう!対象単元:6年 人と環境、生き物と環境(水の循環、水の使われ方を学ぶ) 貝殻の粉の粘着性を利用した、水の浄化実験を行うことで、普段使っている水がどのように浄化されているのか、水の循環について考えるきっかけを与えることができます。濁水に貝殻粉を混ぜることで凝集沈殿を起こし、水の浄化を行います。原料は、マガキ貝殻の殻を形成するタンパク質です。この貝殻粉は、クモの巣をつくるときの横糸とダニのセメントタンパク質と遺伝的相同性が高いことが特徴です。そのため、貝殻粉は、非常に高い粘着活性をもっており、それゆえに濁水中の粒子と結合してフロックを形成します。原 理濁水(泥水)に貝殻粉を入れ、容器を上下に振ります。しばらく静置すると、貝殻粉によって凝集したゴミなどが沈殿していきます。貝殻粉だけでも沈殿が生じない場合には、PAC(ポリ塩化アルミニウム)を少量加えることで解消する場合があります。・すべて日本の研究者と開発した国産教材・1キット20人での活用に対応(部活動向けキット除く)・全キットに研究者によるアフターサービス付き全種類のリバネス実験キットはウェブサイトで紹介しています。http://feelsoscience.ocnk.net/お問い合わせ TEL 03-6277-8041 FAX 03-6277-8042リバネスの実験キット3つの特徴株式会社リバネス(Leave a Nest Co., Ltd. )http://lne.st/使い方Signal peptide(1-18アミノ酸)Silk like region(124-225アミノ酸)C-terminal region(226-431アミノ酸)・クモの横糸と64.4%の相同性・20残基からなる繰り返し領域・ダニのセメントタンパク質と 32.6%の相同性・共通モチーフGLX(配列)を 持つクモの巣の横糸ダニのセメントタンパク質1.濁水2.貝殻粉を追加3.凝集剤を追加4.水浄化2002年、理工系学生15名が立ち上げた日本初の先端科学教育の会社です。全員が博士号または修士号取得者で先端科学に関する専門知識と研究体験をバックグラウンドにもち、科学技術を分かりやすく伝えるコミュニケーションスキルを強みに、教育開発から人材開発、研究開発、地域開発、メディア開発など幅広く事業を展開しています。教育応援プロジェクトNews

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です