チャイム 2013年春 関西版
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学級経営LABO 家庭訪問のねらいは、子どもの生活実態をとらえ、子育てについて保護者と信頼・協働の関係を築き、教育活動に役立てること。学校では見られない、子どもの意外な姿を発見したり、近隣地域の様子も知ることができます。子ども同席のもとで、「良さ」をほめることで、子どもとの〝絆〞も強くなりますね。 保護者から、家庭での子どもの様子や考えを聞き、保護者の悩みや本音に共感し、担任教諭としての考えを伝えることが必要です。アメリカ:ニューヨーク州立公立小学校子どもに近い存在の校長先生家庭訪問を効果的に行うには?テーマ家庭訪問を効果的に行うには、どのようなことに配慮すればよいでしょうか。お悩み「教えてもらう」「共感し合う」「伝える」を念頭において信頼・協働関係を築く回答 まずは、子育てについての、保護者の考えに耳を傾けましょう。子どもの進路希望や保護者の願いを聞き、健康上の留意点なども確かめます。保護者の「本音」や「悩み」を聞く場合には、共感的に受け止める姿勢を大切にし、保護者の気持ちや考えを批判したり、教師の意見を押し付けることは控えます。「この先生だったら、安心して何でも話ができそう」と期待を持ってもらえることで、信頼・協働の関係を築いていくことができます。 教師からは、「学級全体の教育方針」「担任としての考え」「学校での子どもの様子」を伝えます。できるだけ学校での子どものいい姿を紹介し、新学期の子どもの決意も伝えておきましょう。最後に、「この先生は子どもたちのために必死で頑張ろうとしている。応援してあげよう」と感じてもらえるようなアピールも大切です。Adviser廣岡正昭さん園田学園女子大学人間教育学部児童教育学科准教授。公立小学校の教員を経て、奈良女子大学附属小学校で23年間、教壇に立つ。保護者の声は共感的に受け止めるNavigator染谷恭平さん東京都世田谷区立塚戸小学校勤務。東京都や世田谷区の社会科研究部で研究を進める、キャリア9年目の主任教諭。 ニューヨークの小学校の朝は、ロータリーに次々に入っては出る車の列を、交通整理さながらに手際よく誘導している男性の姿を、見ることから始まります。 その男性こそ、小学校の校長先生なのです。毎朝、元気に大きな声であいさつしてくださる校長先生の姿に、子どもたちの眠そうな目が輝いていきます。 校長先生は、子どもたちにも学校のスタッフや保護者にもとても近い存在で、リーダーと呼ぶにふさわしい方でした。子どもが違反を犯すと、校長室行きになるペナルティーがありましたが、校長室が遊びに行く所でもあったので、効果があったのかどうか、わからなかったほどです。 先生方は、毎年同じ学年の担任をすることが多いので、その学年のカリキュラムに精通し、常に新しい学習法を探究されているように感じました。 ただ、先生方の給与は高いわけでなく、夏休み・冬休み中は給料もないので、アルバイトをしている先生が普通。男性の先生が少なかったのは、そのせいかもしれません。 (うえだあみ・ニューヨーク在住4年)保護者を招いた音楽会の様子●地域の人・避難場所を決めたり、 確認したりしている・防災訓練をする●行政 (国、都道府県、市町村)・公園などに水をためて いる・避難所で配給する食べ 物を準備している●国民・耐震構造の家にする・防災グッズを開発して いる

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