チャイム 2012年秋 関西版
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学級経営LABO 児童の座席配置は、担任が学級づくりのビジョンを実現するための最初の主体的な活動であるといえます。座席によって子どもたちの人間関係が大きく影響されるので、児童一人一人にとっても、学級集団にとっても、重要な意味を持っています。 担任は、学級の児童が豊かで健全な人間関係を築き、学習や生活を活性化していけるように、座席配置について配慮しなければならないのです。そのためにも、席替えは必要なのです。香港:アメリカン・インターナショナルスクール❶デジタル化で宿題もパソコンでどのように席替えをしたらいいですか?テーマ児童にとっても、学級集団にとっても重大事である座席配置。どのように決めればよいのでしょうか。お悩み学級づくりのビジョンを明確に反映させる回答 香港に到着してすぐ、小学2年の娘のアメリカン・インターナショナルスクール選びをしました。どこも入学試験は算数、英語、作文でした。娘が入学した学校は、世界各国の児童800人が在籍し、日本人は40人ほどいました。 この学校で特徴的だったのは、学習環境がデジタル化されていたことです。教科書はあるけれど、家への持ち帰りは禁止です。学校から与えられた自分のパスワードで、自宅のパソコンから「オンラインテキスト」にログインして、予習や復習はもちろん、宿題もパソコンでこなすのです。 教室では電子黒板なので、チョークいらず。先生はインターネットから必要な画像などを取り出し、その画像の上から必要に応じて書き込みもでき、便利そうでした。 留意することの第一は、一人一人の身体的条件です。体格の差を考え、障害の有無、障害の種別や程度に応じて、適切な座席を考えます。どの児童も黒板がよく見え、教師の話が聞き取れるように配慮することです。 第二には人間関係や学習の進行です。学習が遅れがちだったり、消極的になりがちな児童の横に、積極的な児童や優しい児童を配置して、人間関係が広がり、豊かになっていくようにします。 また、グループ学習や活動を活性化し、円滑にするためには、リーダー的な資質を持つ児童を、どのグループにも適切に配置することも大切なことです。座席の形状も、学習や活動の内容によって工夫することも大切です。例えば、話し合いや討論の場面では「V字型」や「コの字型」に。班やグループ活動では5、6人ずつを一つに固めるなどの工夫も必要です。授業では電子黒板を活用 最初はパソコンに不慣れで涙目だった娘も、あっという間にパワーポイントを使いこなせるようになったことには驚きました。 コンピューターと他科目の先生が、連携して課題を出すことが多かったので、ごく自然に、パソコンが勉強道具の一つになっていく様子に目を見張りました。 (佐藤雅子:香港在住4年)Adviser廣岡正昭さん園田学園女子大学人間教育学部児童教育学科准教授。公立小学校の教員を経て、奈良女子大学附属小学校で23年間の教鞭をとる。身体的条件・人間関係学習進行に配慮が必要Navigator平岡信之さん京都教育大学附属桃山小学校教諭。京都府の公立小学校に26年勤務した後、現職4年目で、現在研究主任。担当は社会科・総合的な学習の時間・環境教育。報告:確保されたクスノキをじっくり観察し、幹の縦模様を発見

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